コップの水に氷を入れると、氷はぷかぷか浮く。当たり前の光景だが、物質全体で見ると少し変わった性質だ。多くの物質は液体から固体になると粒子がより詰まり、密度が高くなる。

ところが水は、凍ると分子が規則正しい構造を作り、液体のときよりすき間が増える。同じ重さなら氷のほうが体積が大きく、密度が低い。だから水に浮かぶ。

この特徴は湖や池にも重要だ。表面が凍っても、その下に液体の水が残りやすくなり、水中の生き物が冬を越す助けになる。氷が浮くという身近な現象には、生態系につながる意味がある。冬の湖が全部凍りつかずに済む理由の一つでもある。