約2000年前、ベスビオ火山の噴火で埋まった古代都市ヘルクラネウム。そこには、真っ黒に炭化したパピルスの巻物が多数残されていた。無理に広げると壊れてしまうため、長い間、内部の文章を読むことは困難だった。
転機となったのは、巻物を壊さずに撮影したX線による立体データと、文字の痕跡を探す機械学習の組み合わせだ。国際的な解読企画「Vesuvius Challenge」では、2024年に巻かれたままの資料からギリシャ語の文章が読み取られた。
現れたのは、感覚や快楽について論じる哲学的な内容。古代の本が新たに「発見」されたというより、昔からそこにあった本へ、現代の技術でようやく近づけたわけだ。