「原子時計」よりさらに小さな世界を目印にする「核時計」が、現実の装置として動き始めた。2026年10月7日、トリウム229という原子核の状態変化を利用し、レーザーの周波数を制御した研究が科学誌Natureで発表された。

従来の高精度な原子時計は、主に原子やイオンの電子が状態を変えるときの振動を基準にする。一方、核時計が目を向けるのは原子の中心にある原子核。外部の影響を受けにくい精密な基準になると期待されている。

今回の研究では、室温のフッ化カルシウム結晶にトリウム229を埋め込み、光の吸収を手掛かりにレーザーを調整した。まだ従来の最高性能の時計をすべて上回ったわけではないが、「核の振動を使って時計を動かす」重要な段階に達した。