秋の夜に聞こえるコオロギの「リーリー」という声。脚をこすって鳴いていると思われがちだが、一般的なコオロギのオスは、主に左右の前ばねをこすり合わせて音を出す。
片方のはねには、くしの歯のような細かな突起が並び、もう片方のはねがそれをこする。小さな楽器を演奏しているような仕組みだ。鳴き声は仲間への合図や、メスを呼ぶためなどに使われる。
さらに驚くのは「耳」の場所。コオロギには、人間のように頭の横に耳があるわけではない。前脚のすねに薄い膜の聴覚器官があり、音による振動を受け取る。つまり、鳴くのははね、聞くのは脚。体の使い方が人間とはずいぶん違う。