電池がなくても、エネルギーを「ためる」ことはできる。建物の壁や床、天井には熱をためる性質があり、これを空調の工夫に利用できる。たとえば、電力需要が高くなる前に建物を適度に冷やしておく「予冷」という考え方だ。

空調を先に動かして壁や床を冷やしておけば、暑い時間帯に室温が上がるまでの時間を延ばせることがある。米国エネルギー省の技術報告でも、建物の熱容量を活用して冷房の電力使用時間をずらす方法が紹介されている。

ただし、建物の断熱性能や天候、空調の制御次第では効果が小さかったり、かえってエネルギーを使ったりする。建物を「熱の貯金箱」とみなす発想は、快適さと電力需要の両立を考えるヒントになる。