ホタテガイの仲間には、貝殻の内側にある外とう膜の縁に、小さな目がずらりと並ぶものがいる。種類によっては、その数は200個近くにもなる。

人間の目は主にレンズで光を集めるが、ホタテの目は奥にある凹面鏡で光を反射し、二重の網膜に像を結ぶ。レンズも備えているが、像を結ぶ主役は鏡だ。

2017年の研究で、その鏡は「グアニン」という物質の微小な結晶を、精巧に重ねた構造だと分かった。仕組みは反射望遠鏡にも似ている。身近な貝の中に、驚くほど巧妙な光の仕組みが隠されている。